黒子っちマジ黒子っち！

接客中に客に絡まれるのは日常茶飯事なのだが、それでもその対応には毎回困る
先日も爺さん二人に翻弄されて、それはそれは大変だった

うちの店のビルのすぐ目の前が松坂屋なのだが、接客中にお爺様に「あのすぐ近くにあるビルの名前はなんだったか？」と聞かれる
「松坂屋さんのことですか？」と答えると「いや、松坂屋くらい儂だって知っとるよ」と言われ、
あぁ、それは爺さん侮って申し訳なかった・・・と心中で反省しつつ「どのビルですか？」と尋ねれば
「ほら、最近できた、その次の次の辺りにあるアレ」と言われる
なんだよそのテキトー過ぎる説明･･･と思いつつも、最近この辺で話題になってるビルなどＨ＆Ｍしかない
でもこんな爺様たちがそんなハイカラ（死語）なこと知ってんのか？と半信半疑で聞いてみる
「Ｈ＆Ｍのことですか？」と
すると意外や意外。爺様が自信満々に言った「そうそう！それそれ！Ｌ＆Ａ！」
って一文字もあってねぇよ！ロスぢゃねぇんだから･･･
「エー･･と･･･その･･Ｈ＆Ｍです･･」と言えば「はい？Ａ＆Ｎ？」と返され
「いや･･だから･･･Ｈ＆Ｍ･･･」と訂正すれば「おぉ、Ｓ＆Ｌ」って･･･
ぜってーわざとだろ爺っ！！と心中で叫びつつ、一昔前のコントのような会話に暫くつき合わされた
そして最終的に「Ｍ＆Ｍ」だなと自己完結した爺さんに「それはチョコレートです」と突っ込んだ私は勇者だと思った

その後はもう、近くを通るたびに呼び止められては爺の遊びに付き合わされる
手招きされて近づけば「この爺さん、今年で９８になるんじゃ、すごいじゃろ？」と言われ
「えぇ！？本当ですか？すごくお若いですね」と本気で驚いて返事をすれば
「うそじゃ」とげらげら笑われる
そんな可愛らしい「嘘」もギンなら許せるけど、爺に言われても腹が立つだけだ
つか、なんで嘘付いた！目的はなんだよっ！と思っていれば
「でもこの人、儂の学生時代の先生。儂はこの人の生徒だったんじゃ」と言われ
「そうなんですか？仲がよろしいんですねー」と二度はねぇだろと信じれば、すっごい嫌な顔でにたぁ～と笑う爺
まさか････と思い「嘘ですか？」と尋ねれば、その瞬間に爺二人が大爆笑。
もう嫌････

さらにその後も「いやーーー･･飲みすぎちゃったなぁ･･･この爺さん今日車で来てるんじゃがバレると思うか？」と聞かれる
お前ら車で来てたのかよ！バレるバレないの次元じゃねぇくらいに顔真っ赤だよ！つか、酒飲んでんぢゃねぇよっ！と心中で爺たちを叱責
でもこの爺たちならありえる･･･とすっげー心配して
「それなら呑んだらダメじゃないですか！お茶たくさん飲んで薄めて下さいっ！」
ってお茶を淹れてやったのに
「お譲ちゃん、真面目だね～･･でも茶ぁ飲んでも薄まらないよ･･」と平然と言われる
なんだよ、お前らのために言ってんのに･･･つか、爺の知恵袋みたいなのあるなら教えろよ！とか思ってたら
「心配せんでも、この爺さんバス、儂、地下鉄」って、だからなんで毎回最初に嘘つくんだよっ！！

そんなことを爺が帰るまでに５、６回繰り返され、最後のほうは通りかかっただけで大爆笑された
そんな爺たちに（お　ま　え　ら　～・・・）と拳を握って耐えた


最近の年金受給者の方々は元気一杯だな････